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タイトル 居住者組織による住環境の管理手法に関する基礎的研究
発行年月 平成17年01月 判型 A4 頁数 99
概要  わが国の都市景観や街並みは美しさに欠けるとの指摘を受けることが多い。密集住宅市街地はもとより計画的に良好な住環境が創出された住宅地においても、長い年月の間に相続などを契機とした敷地の細分化や個性のみを主張する建築に溢れ、徐々に街並みは崩れる傾向にある。
 まちづくりはしばしば「総論賛成、各論反対」の壁に阻まれる。土地基本法は「土地利用については公共の福祉を優先させる」と高らかに謳っているものの、わが国の諸制度においては依然として私権(土地の財産権)が強く認められている。かつて近隣コミュニティの規範として存在していた暗黙のルールや慣習は、都市化の進展、コミュニティの衰退などに伴い、機能しなくなっている。
 一方で、NPOなどによる草の根的なまちづくり活動が近年活発化しつつあり、まちづくり協議会などの地域の住民や居住者を主体とした組織が計画や事業へ参画することも見られるようになってきている。これらの流れからも今後住環境の持続的な維持・向上を図っていくためには、居住者自身がまちづくりに対する認識を高め、地域コミュニティがその機能を取り戻し、「住民自治」という考え方に基づき、主体的かつ組織的に住環境のマネジメントに関与していくことが重要である。本調査はこうした視点のもと、わが国や諸外国の事例調査をふまえつつ、居住者組織による住環境の管理手法に関する制度的な枠組みについて検討を行なったものである。
 本報告書は5章からなり、第1章でわが国の住宅市街地を取り巻く状況と問題意識を提示し、第2章で住環境管理の先進的事例として国内10事例、海外2事例を紹介している。とくに、祇園町南側や「中間法人汐留シオサイト」は他ではあまり紹介されていない示唆に富む事例である。第3章では既存の制度の比較としてわが国のまちづくり制度と海外のHOA、BIDを論じ、また法人制度・意思決定の要件など組織主体の比較検討も行なった。第4章では、本調査の主眼である「住民自治」を基礎とした住環境マネジメントのありかたを提言し、第5章では具体的な制度提案として管理規約と所有権双方からのアプローチを試みている。
 なお、巻末に資料としてラドバーン「制限の宣言」の原文、レッチワースの収支報告等を付した。
価格(税込) 2,300円 在庫

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