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タイトル 東京圏における住み替え行動の実態と要因の分析
発行年月 平成20年05月 判型 A4 頁数 115
概要 資産デフレの長期化、少子・高齢化の急進展など、社会経済構造や人口動態が大きく変化する中で、わが国の住宅需給構造はかつてない質的変容を余儀なくされている。本リポートでは、こうした状況の中で、需要者の居住選択行動がどのように変化しているか、そのメカニズムの解明と、背景的要因を明らかにすることを目的としている。
本リポートでは、東京圏について、住み替えパターン別の世帯主年齢の分布(「住宅・土地統計調査」データ)および世帯類型別の所有関係変動(「住宅需要実態調査」データ)の推移を追跡し、世帯のライフステージに基づく住み替え行動様式の存在、すなわち「住宅双六」が成立していることを確認した。すなわち、世帯主年齢の上昇に従い、「親族→借家」「借家→借家」「借家→持家」「持家→持家」へと住み替える傾向が見られ、「住宅双六」の基本形が導出された。さらに、この基本形が3調査時点を通じて不変であること、不変でありつつも調査時点により、住み替え割合や住宅の属性に変化が見られることが検証された。
同様のことは、「住宅需要実態調査」の個票データを用いた行動選択モデルによる定量分析でも検証された。世帯人員などの世帯要因が、住み替え行動に重要な影響を与えており、その効果は調査時点によって大きく変動している。さらに、推定したモデルを用いて、世帯類型別の住み替え確率を推計した結果、若年世帯は借家から持家に住み替え、中年世帯は持家から持家に住み替え、高齢世帯はあまり住み替えないという傾向が浮かび上がり、住宅双六が確認された。
また、今後、東京圏の世帯規模は単身世帯の増加などにより減少が見込まれ、一方で、都心への人口流入などにより世帯数は増加が見込まれている。本リポートでは、推定したモデルを用いて、こうした人口動態を考慮した東京圏の住み替え需要予測を行った。その結果、持家への住み替え需要は2015年まで緩やかに増加した後、2020年以降は減少傾向に転じる可能性が示唆された。これは、当面は世帯数の増加により需要が拡大するが、その後は世帯人員減少による住み替え抑制効果が大きくなることによる。借家への住み替え需要は、世帯数の増加および世帯人員の減少により、ほぼ一貫して増加することが明らかになった。
人口減少社会において、今後の住宅需要はどのように変化するか、またそれに対応した質の高い住宅供給がどうあるべきか、その方策検討の一助となれば幸いである。
価格(税込) 2,800円 在庫

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