調査研究リポートの詳細

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タイトル わが国の住宅市場改善に関する研究?ノン・リコースローンの導入可能性と住宅価格構造?
発行年月 平成20年10月 判型 A4 頁数 210
概要  住宅履歴情報の蓄積や長期耐用住宅に関する各種優遇措置をその内容とする、長期耐用住宅等整備促進法が閣議決定された。もともと、現行の住生活基本計画においては、既存住宅流通の促進を大きなテーマとしてとらえ、既存住宅の流通シェアを13%から平成27年には23%に向上させるという目標を掲げている。これは、米国で78%、英国で89%に上っている既存住宅流通のシェアがわが国で著しく低いという現状認識に基づいている。このように、良質な住宅ストックを形成してその維持管理と流通を通じて、国民の居住水準を向上させようというねらいをもった政策が急ピッチですすめられようとしている。
本研究では、このような政策的な意図がある程度実現した場合の住宅金融システムを検討するために、
・ 住宅金融債権を住宅資産によって保全することが可能か
・ 住宅資産価格を長期的に観察、推計する技術として何かふさわしいか
というテーマを与えられて、調査・検討を行ってきた。これは、わが国では既存住宅の品質に関するプライシングがうまく機能していないのではないか、という問題意識から現状の正確な把握を目指したものである。平成18年度にマンションを中心にわが国ではじめての本格的なリピートセールス法を適用できるデータベースを整備して、住宅の資産価格の経年変化を分析することで、わが国では10年経過することで住宅価格は23.4?40.5%もの下落をするという結果が得られた。その過程では、住宅資産価格を把握するための技術として、リピートセールス法、ヘドニック法等の技術の比較検討を実施している。
平成19年度においては、マンションに限定されていた昨年の分析を戸建住宅に拡張するとともに、従来の資産価格推定において考慮されてこなかった、居住者属性やリフォーム履歴を考慮した調査を行った。特に長期耐用住宅との関連では、リフォーム履歴が住宅資産価格に与える影響をマイクロデータに基づいて分析した初めての試みが行われており、実務的にも非常に有用な調査結果が得られている。
さらに平成19年度においては、米国、英国の関連機関へのヒアリングを行うことで、両国の住宅金融システムの把握も行っている。このため、長期耐用住宅が普及したストック型社会において求められる、住宅金融システムをはじめとした制度インフラについて、広いインプリケーションを得ることができた。
 このため、本報告書においては、まず第1章において、わが国の既存住宅市場が非常にうすい未成熟な市場となっている原因について、簡単な考察を行い、ストック型社会を実現するために求められる制度インフラに関する鳥瞰的な議論を行うこととする。
そして、第2章において米国、英国調査において得られた調査結果を報告し、第3章では住宅資産価格の経年変化の把握を個人属性やリフォーム履歴を考慮して行った分析結果を報告する。第4章では、ストック型社会のソフトなインフラの重要な要素である住宅価格指数について都区部と関西圏を対象とした試算結果を報告する。第5章はまとめである。
価格(税込) 3,800円 在庫

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