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タイトル 中国における住宅価格抑制政策の効果分析
発行年月 平成25年04月 判型 A4 頁数 142
概要 中国では、1998 年住宅分配制度の廃止以来、住宅金融市場や関連する法律など、住宅市場が整備されるにつれ不動産取引が活発になり、上海、北京等の大都市を中心に不動産価格が急速に上昇した。特に、2007 年から始まった世界金融危機に対応として実施された、金利の引下げや４兆元におよぶ公的投資等、景気刺激政策の結果、国内･外から巨額な投資資金が不動産市場に流入し、大都市の住宅販売価格が前年比10％を上回るペースで急騰した。こうした事態に対応するため、2010 年以降中央政府は不動産価格抑制政策を実施している。一方で、経済成長は減速傾向もみられているため、住宅政策は一層複雑な舵取りが求められている。
2010 年以降に行われた不動産価格抑制対策は、住宅ローン基準の厳格化や、公共賃貸住宅供給の増加、不動産税改革など、金融、直接規制、税制など幅広い範囲に及んでいる。本調査研究は、中国における不動産価格の抑制政策の不動産市場に与えた影響を定量的に検証することを目的とし、一橋大学国際・公共政策大学院 亢越氏と当センターの研究部の共同研究の成果を取りまとめたものである。中国は広大な国土を有するため、地域ごとの経済発展の進み具合や経済状況も大きく異なり、各種の住宅価格抑制政策も地方政府によって大きく異なる。こうした地域ごとの差異を考慮し政策効果を検証することは、中国の不動産市場の全体像を理解するためにも重要である。
検証の結果、新規住宅購入規制政策によって、北京や上海などの大都市における住宅価格は抑制された一方で、後発的に政策が実施された中小都市においては、明確な政策効果は確認できなかった。大都市圏においては、投機資金の流入に伴う過剰需要によって住宅価格の高騰した一方で、中小都市においては、住宅価格は実需に伴って上昇していた可能性を示唆するものである。
なお、本リポートでは、第２部として、中国の不動産市場や住宅税制の構造と変遷等について網羅的な紹介をしている。本リポートが、中国不動産に関する研究者や実務家のための基礎的な資料となれば幸いである。
目次 はじめに
目次
第1部 中国における住宅価格抑制政策の効果分析…1
第1章 調査の背景と目的…3
第2章 中国の不動産市場について…5
1.中国経済および不動産市場の発展と概況…5
2.住宅価格のファンダメンタルズからの乖離について…10
第3章 中国における住宅価格抑制政策…18
1.『国八条』について…18
2.『国八条』・『新「国八条」』に基づく住宅需要抑制政策…19
3．政策対象地域…26
4.引締め政策を実施した後の不動産市場…27
第4章 先行研究および分析手法…33
1.先行研究…33
2.分析手法…34
第5章 実証分析および結果…38
1.新規住宅購入規制政策の実施効果…38
2.新規住宅購入規制政策法導入の波及効果…53
3.新規住宅購入規制政策の規制内容の差異が生み出す影響…58
4.新規住宅購入規制政策の都市所在地域による効果の違い…62
5.房産税改革政策の実施効果…68
6.DID分析による新規住宅購入規制政策の実施効果のまとめ…69
第6章 おわりに…71
1.今後の住宅政策…71
2.今後の不動産市場についての展望…72
3.今後の課題…73
第2部 中国不動産データ集…75
第1章 政策動向等…77
1.都市と農村…77
2.土地・住宅所有制度の変遷…82
3.住宅の種類…88
4.近年における市場動向と住宅政策…91
5.農村住宅政策…99
第2章 住宅市場の現状…102
1.住宅価格・住宅数の推移…102
2.住宅購入に対する国民の意識…107
3.居住水準の推移…109
4.リフォーム市場の拡大…110
第3章 建築費及び地価の現状…111
1.住宅価格の構成要素…111
2.建築工事費…112
3.地価の推移…113
4.宅地供給量の推移…114
第4章 住宅の流通…115
1.媒介制度…115
2.主要デベロッパーの現状…116
第5章 国民経済と住宅投資…120
1.GDPに占める住宅投資…120
2.内需の拡大と住宅投資…121
第6章 住宅と家計経済…122
1.住宅費支出割合の推移…122
2.家賃の動向…123
第7章 住宅金融と住宅税制…124
1.住宅金融の現状…124
2.財政をめぐる問題…127
3.不動産に関する税目…129
【参考文献】…138
価格（税込） 2,100円 在庫 ○

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