概要 |
本書は、当センターが実施した「二大都市における空き家実態調査IV」をもとに、購入者や入居者を募集せず「空き家」にしている持ち家および民営借家の所有者に対して、新たに定期借家制度が導入された場合の空き家活用の可能性などに関する意識調査を行い、持ち家の賃貸活用や民営借家の供給促進の可能性について考察した。賃貸活用の可能性を見ると,購入者や入居者を募集せず「空き家」になっている住宅のうち、持ち家では7割、民営借家では8割の所有者が,条件が整えば他人に賃貸する可能性を有している。特に期限や賃貸条件が約束どおり履行されれば賃貸するという所有者が、双方とも約半数を占めている。次に「定期借家制度」の利用意向をみると、制度が導入された際には、持ち家では7割の所有者が利用したいと考えている。また利用希望者のうち「建て替えるため」に「空き家」としている者が3割おり、そのうちの半数が「建て替え後、賃貸住宅経営を行う」意向をもっている。一方、民営借家では9割の所有者が利用したいと考えている。また、利用希望者の約半数は現在は募集していいないが、将来は「賃貸住宅経営のための建て替え」を希望しており、市場における新たな借家の契約形態として、「定期借家制度」を望んでいることがうかがえる。 |