調査研究リポートの詳細

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タイトル 木造軸組構法住宅の構法の変遷に関する研究
発行年月 平成22年03月 判型 A4 頁数 152
概要 木造軸組構法は、特に近代以降は、急速な社会変化に適応しながら、大きな変貌を遂げてきた。現在の木造軸組構法は、そうした構法変遷のプロセスを辿りつつ、新しい構法が絶えず現れ普及するという展開を繰り返している。
そうした構法の変遷や地域差に関しては、現在までに大都市における差異および時代的変遷に関する調査が行われ、その典型的構法を示したものがすでに存在している。しかしながら、地方と都市とでは構法の普及状況の違いが著しいため、特定の都市のみを対象とした調査では、構法の全国的な変遷過程を示すには不十分である。
本リポートはこのような研究状況の認識と課題意識を踏まえて、木造軸組構法の変化と発展の全体像を全国ベースで捉えることを目的に、今まで調査研究対象とならなかった地方についても、その構法の変容に関する調査を実施したものである。すなわち、構法の変化の過程を、本研究独自のアンケート結果、インタビュー結果をはじめ、その他各種先行研究の成果を援用しつつ、時系列推移という時間軸と、都市対地方、あるいは都市間・地域間という空間軸で、丹念に検証している。このように本リポートでは、地方も都市と同様に調査対象とすることにより、都市部と地方部を総合的に俯瞰しつつ木造軸組構法住宅の変遷過程を分析している。併せて、これからの木造軸組構法の方向性を見出すために、新構法の普及状況についても調査を行い、木造軸組構法の現状を網羅的に把握することを試みている。
もとより、「一般的」とされる住宅においてすら、そのロケーションや気候風土、生産者の属性等により、構法が異なっている。ことほどさように、多様な構法の変遷史を一律にトレースし論じつくすことは極めて困難である。本研究は、戦後の動向を重点的に検討しているが、その歴史区分における木造軸組構法の全貌の究明には至っていない。このような意味で本研究は、住宅構法の変遷を精緻に分析しようとする試みの第一歩である。
温暖化ガス削減が国際公約となり、そのために有用な木材利用の推進に資する在来木造住宅生産への注目度と再評価の機運が今後ますます高まることが予想される中で、本リポートが、テーマに関心を抱かれる方々に活用されることを期待するものである。

価格(税込) 3,500円 在庫

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