タイトル | J-REIT の不動産ポートフォリオと価格付けに関する研究―東日本大震災と建物倒壊リスクを踏まえて | ||||
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発行年月 | 平成25年12月 | 判型 | A4 | 頁数 | 95 |
概要 | 不動産証券化は、従来流動性の低い不動産を、その事業収益などのキャッシュフローを裏付けとする証券の取引に変換することによ って流動性を高め、不動産所有のリスクを大幅に軽減できる手法である。 また、経済理論的には、経済が将来にとり得る状態(State)の数よりも取引可能な証券の数が上回っている場合 に 状態価 格(State Price)が一意に定まり、完備な市場となる。この意味で、不動産の証券化は資本市場の完備化に寄与し、証券化商品は将来の状態に対する多様な収益の機会を投資家に提供することも期待されているのである。不動産の証券化はこれらの証券化商品の特性によ って大規模な不動産開発や都市開発のための資金調達が容易になると期待されている。 日本の状況を見ると不動産証券化が始まって10年が経過し、市場規模は約7.2兆円まで急速に拡大したが、全体としてみると、その規模は国内株式市場の約2.0%にすぎず、市場規模の拡大はなおも可能であると考えられる。また、その拡大はグローバルな市場間競争・都市間競争が進展する中で日本の不動産市場を活性化させることにつながり、日本経済の成長を促す上でも有益であるといえよう。 もちろん不動産証券化市場をより発展させるためには、証券化商品の価格付けが適正に行なわれ、資本市場に十分な資金を呼び込むことができるかどうかが重要である。そのためには言うまでもなく市場の透明性や情報開示、ガバナンスの徹底が何より重要となる。 本研究では、資本市場が不動産証券化市場に対して適切な資本の配分を行なっているのか、つまり市場が J-REIT に対して適切な価格を割り当てられているのかを検証する。さらに、J-REIT の各銘柄が保有する不動産資産のポートフォリオの特性がどのように価格付けに反映されているかを分析する。 そのうえで、投資家が震災リスクをどのように認識し、価格付けに反映させているのかについて検証する。J-REIT に代表される不動産の証券化商品が、投資家の判断に資する情報を提供できているのかどうか、そして情報開示の在り方として現状の基準が適切であるのかどうかについての基礎的な情報を提供したい。 |
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目次 | 第 1 章 研究の目的と意義…1 第 2 章 J-REIT の Risk 要因分析…4 1.分析手法の詳細…4 (1)SDF を用いた解析の意義…4 (2)SDF の乖離成分の意味と帰無仮説の設定…4 (3)HJD と SDF の乖離度xTj(t)の導出…7 (4)係数の解釈について…10 2.実証分析における Data の取り扱いと分析モデル…11 3.実証分析…14 (1)HJD による分析…14 (2)分析対象資産に起因する SDF の乖離の Norm…16 (3)J-REIT のリスク要因…19 4.本章のまとめ…31 第 3 章 クロス集計による J-REIT の分析…33 1.銘柄間の分析…33 (1)地域分散について…33 (2)不動産の種類別分散について…36 (3)PML との関係…39 2.物件の種類別の分析…45 (1)地域ごとの傾向…46 (2)種類ごとの傾向…48 (3)規模について…50 (4)PML との関係について…51 参考資料 銘柄毎のポートフォリオ…53 |
価格(税込) | 1,980円 | 在庫 | ○ |
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