調査研究リポートの詳細

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タイトル 高齢者向け住宅における社会的費用および社会的便益の推計に関する調査研究
発行年月 平成31/令和1年01月 判型 A4 頁数 93
概要  サービス付き高齢者向け住宅は、平成23年度に創設されて以来、現在では登録戸数が約23万戸になり、戸数は順調に増加している。しかし、近年、それらの住宅は、立地場所や医療・介護サービスとの連携において課題が指摘されている。サービス付高齢者住宅は、建設にあたって補助金(=税金)が利用されているため、市場原理に任せるだけではなく、より効率的な建設・運用が検討されなければならない。
こうしたことを背景にして、サービス付高齢者向け住宅の効果的な整備のあり方を検討する必要性が高まっており、それらを整備することによる費用と便益の把握が求められている。そこで本稿は、サービス付高齢者向け住宅を整備することによる費用と便益の推計手法を検討することを目的として、既往研究に基づいた調査研究を行った。また、提案した推計手法に基づいて費用便益比のシミュレーションを行い、その結果を取りまとめている。
 本稿では、具体的にはサービス付高齢者住宅と関連する社会保障政策について整理し、先行研究のサーベイを行ったうえで、比較静学を用いた費用便益分析を実施している。費用便益分析は経済学をベースにした分析手法だが、経済学を学んだことのある人でないと理解することは難しい点があるため、第2章において推計方法について出来るだけ詳細な解説を付けている点が特徴である。また、その際に「自宅介護」から「サービス付高齢者住宅での介護」への移行を促進させることに伴う便益に着目しているため、「自宅市場」と「サービス付高齢者住宅市場」を比較している。そして、サービス付高齢者住宅に付帯する「住宅としての側面」を「住宅部門」、「(在宅介護より効率的な)サービス提供の面」を「サービス部門」として、それぞれを分けて捉えている。このように、「自宅市場」と「サ付市場」、そして「住宅部門」と「サービス部門」のそれぞれについて、比較しながら費用と便益を検討している点も大きな特徴である。
 第3章では、第2章の分析結果を踏まえて、実際のデータに基づいて標準的なサービス付高齢者住宅、および日本全国のサービス付高齢者住宅における費用便益についてケーススタディを行っている。また、サービス付高齢者住宅の導入による介護料軽減が費用便益比にどの様に影響するのかについても検討している。
 本調査が、今後さらに進展する高齢者社会において、より望ましい住宅供給の在り方を検討するための資料として活用されることになれば幸いである。
目次 序章. 調査概要 … 1
第1節. 調査目的、概要等
第2節. 調査の設計等

第1章. 費用及び便益の推計手法の検討 … 11
第1節. 文献の収集整理
第2節. 文献調査の成果に係る考察
第3節. 費用及び便益の推計手法に係る考察

第2章. 費用及び便益の推計 … 27
第1節. 費用及び便益の推計方法
第2節. 具体的な費用及び便益の推計方法の検討

第3章. 費用及び便益の推計手法の検証(ケーススタディ) … 59
第1節. 一般的なサ付における費用・便益
第2節. 他の入居者要介護度分布の場合における費用・便益
第3節. 全国のサ付を対象とした費用・便益

第4章 課題等の整理 … 69


資料編 … 75
資料-1:必要データ等一覧
資料-2:パラメーター設定値
資料-3:参考資料一覧
価格(税込) 1,650円 在庫

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