単行本の詳細

No.08811印刷印刷 --- PDFの有無

タイトル 欧米4か国におけるキャピタルゲイン課税制度の現状と評価
発行年月 平成20年06月 判型 A5 頁数 172
概要 わが国における土地・建物の譲渡所得課税は、昭和44年以来、所得税本則の規定から切り離され租税特別措置法による課税が行われるようになって今日に至っている。とくに、それまでの所得課税の伝統であった総合課税の原則を変更し、他の所得と分離して課税する方式としたことは、わが国譲渡所得課税の歴史の上でもエポックメイキングなことであった。
 その時に導入された短期ゲイン重課の思想はその後も長年にわたって継続したが、長期ゲインに対しては軽課の時代と重課の時代を頻繁に繰り返しており、安定的な課税体系が構築されてきたとは言いがたい。これは、わが国においては土地問題が常に重要な政策課題であり、昭和48、49年の列島改造ブームを背景とする地価上昇や、昭和末期から平成初頭にかけてのバブルと呼ばれる地価高騰の中で、土地税制なかんずく土地譲渡課税が、租税理論の枠組みを超えて政策手段として機能してきたことに起因すると思われる。
いわゆるバブル崩壊後は、キャピタルゲインのみならずキャピタルロスも所得課税上の問題として浮上してきていることに加え、平成16年度税制改正において土地・建物譲渡によるキャピタルロスの他の所得との損益通算が一定の居住用財産の譲渡を除き全廃されるなど、近年になってわが国のキャピタルゲイン課税のスキームが大きく転換している。実現したキャピタルゲインを再び投資する場合の買換え特例のあり方、実物不動産を表象した証券流通が拡大する中での課税のあり方等、今後検討すべき課題も多い。
このような状況下において、諸外国のキャピタルゲイン課税に対する比較法的考察、租税法的考察は、今後のわが国のキャピタルゲイン課税の方向を議論するにあたってきわめて有意であると考えられるため、当センターでは平成18年9月に、中里実・東京大学教授を座長に、租税法研究者の参画を得て「海外住宅・不動産税制研究会」を発足させ、欧米4か国の住宅・不動産をめぐるキャピタルゲイン課税の現状と評価に関する研究を実施した。本書はその研究成果を収録したものである。
本書が租税法研究者のみならず、行政担当者や実務家等を含めて幅広い分野の方々に活用されることを祈念するものである。
価格(税込) 3,800円 在庫

※購入申込数を半角英数字で入力してください。

購入申込数